ムクデレラ 第2話

「あんたは、掃除でもして留守番してな。」

継母は、僕の髪の毛を掴み、引っ張り上げて、言い放つ。

「ははっ、いいだろ骸!俺達舞踏会にいくんだぜっ!王子とダンスなんて……選ばれちまったらどうしよっかな。」
「おい、野球バカ……てめーが選ばれる訳ねーだろ!」
「分かんねーぜ?」
「ったく、じゃあ、骸は俺らが帰ってくるまで、掃除やってろよ!」

意地悪な義兄達も、僕に救いの手をさしのべてはくれない……。

 彼らは、僕を置いて、いかにも楽しそうな顔をして、屋敷を後にした……。

ーーーーー今日は舞踏会……。王子が結婚相手を選ぶ……か。ーーーーー

そんなことどうでもいい。興味ない。ただ外の……まっさらな世界を見てみたいだけなんだ……。